大義なき解散、大慌ての野党、千載一遇のチャンスと捉えた新党、バラバラ状態にやむなく立ち上げたもう一つの新党等々、そしてそこに大型台風がやって来て、投開票日の10月22日は慌ただしさに振り回された1日になりました。
夜8時、投票締め切りと同時にテレビの選挙速報が一斉にスタート。
気になる選挙区を追いつつ、全体の勢力図をにらみながら、近づく台風の位置と被害状況を確認。
そしてもう一つ、この日はボクシングの世界タイトルマッチが3戦もあったのです。
中でもこの春、勝ったと思われた試合が、不可解な判定にひっくり返されてしまったミドル級・村田諒太選手の再試合は見逃すわけには行きません。
ボクシングに興奮しながらラウンド終了毎チャンネルを替え、台風を追って冷静さを取り戻し、またリモコンを使って選挙速報、更にまたボクシングに切り替えて興奮する 。
そんなことを何回繰り返したことか、とにかく忙しい夜になりました。
そしてそして、ボクシングは村田諒太選手のリベンジ成功、選挙は自民党圧勝、台風は衰えながら足早に駆け抜けて行きました。
選挙の自民党圧勝は、1週間ほど前からマスコミ各社が報じていたので、それほどの驚きもありませんでしたが、「一強政治を変える」からスタートしたはずの野党の今後は難題山積。
しっかりした野党の存在があってこそ、政治が正常化すると言われて久しいのですが、まだまだ道は遠そうです。
そして勝った与党にも一言。
今、時代は大きな変革の中にあります。
当コラム8月号にも書かせていただきましたが、人類の長い歴史上、大きな変革は極端に言えば「火の使用」「産業革命」そして今、「IT革命」だと言われています。
当たり前のように過ぎて行く日々。しかし確実に時代は変わりつつあります。
瞬時に世界中に流れる情報は、瞬時に変化をもたらすことになるでしょうし、過去のデータはあっという間に塗り替えられ、予想が追いつかない現象も起こるでしょう。
北朝鮮も中国も厄介な問題ではあるのですがそれも含めて、是非お願いしたいことは、変わりゆく世界とのスピード感ある「外交」。
歴史もあり経験もある日本独自の「外交」が影を潜めているかのような昨今、
「ジャパン・スルー」にならないように、アメリカだけでなく世界に目を向けていて欲しいと思うのです。
それにしましても選挙直撃の台風21号。大型で強力だというので相当警戒しましたが、各地に被害を残しつつ、衰えながら急速に去って行きました。
これってどこか「希望の党・小池旋風」に似ていたのではないかと思ってしまいました。
テレビ屋 関口 宏