春眠暁を覚えず

H.Sekiguchi

 「春眠暁を覚えず」・・・・・中学か高校の「漢文」で教わりました。
「確かに春先は眠いし、その眠気を布団の中でズルズル引きずる心地良さが、何とも言えないんだよなぁ」と思いました。

「それがさぁー、暁どころか夜中に何回も目が覚めちゃってさぁー、眠れないんだよ」とは、ある年寄りの話。
何人か集まると、孫の自慢話や病気の話に加えて、夜中のトイレ話で盛り上がります。

「だから寝る前にはなるべく水を飲まないようにしてるんだけどね」
「いやいや、寝る前には水分を取らなきゃ」
「でも飲んだぶん、近くなるじゃないか。そこで目が覚めちゃうんだよ」
「だからね、もよおしたら目をつぶったまま手探りでトイレまで行き、座って用を足してゆっくり戻り、さっきと同じ体勢になって、さっきと同じ夢を見ようとすればいいんだよ」
「えーーーーッ!無理だよそんな!」
「いやいや、出来るって。途中で電気つけたり、目覚まし時計見たりしちゃダメなんだ」

 この年寄りの話が本当かどうか、今私も「手探りトイレ」に挑戦中で、時々上手く行くこともありお薦めです。

 実は私、昨年引越しをしまして環境がガラリと変わったせいなのか、軽い不眠症に悩まされていて、悩みを打ち明けてみると、結構同じ悩みを抱えている人が多いことに驚きます。
最近では、『睡眠負債』なる言葉まで登場するくらい世の中には不眠に悩まされている人が多いと言う事でしょうか。

『睡眠負債』
睡眠不足が続けば続くほど、身体にも神経にも何らかの悪影響が蓄積されると言う意味でしょうが、上手い事言ったものだと感心しています。

 では何故、人間には睡眠が必要なのか、誰しもが疑問に思うところですが、20年ほど前、科学では解明できないテーマを集めた『ワンダーゾーン』と言う番組を手がけたことがありました。

1992-1993
制作・著作:讀賣テレビ放送

 「幽体離脱」「胎児の記憶」「聖人の奇跡」など興味深い話を取り上げましたが、「眠り」の回では、「アカシックレコード」なる言葉が登場しました。

 簡単にご紹介すると、「人間は眠りに入ると、意識が宇宙の何かにコンタクトするように出来ている」と主張するアメリカ人研究家の話だったのですが、
その宇宙の何かを「アカシックレコード」と呼んでいました。
そしてそこで「意識が微調整され翌日に備える」と言っていましたが、私自身、未だにそれが自覚出来たことはありません。

 しかし「眠り」が「疲れ」を取るためだけと言うのも、何かスッキリしませんし、人生の3分の1は寝ているとすると、どう眠るかは大きな課題だと思われるのですが・・・・・

 先ほどご紹介した眠り上手の友人のもう一言。
「早く眠らなきゃ!」が最悪の睡眠妨害。次の日どんなに早かろうとも、
「眠らなきゃ!」が強迫観念になって眠れなくなるのだそうです。

 「春眠暁を覚えず」・・・・・心ゆくまで楽しんでいらっしゃいますか。

      テレビ屋   関口 宏