関口 宏
「バスに乗り遅れるな」ともよく言われてきたことですが・・・・私は完全に乗り遅れてしまいました。
それが日々、若い人達との会話の中で、痛恨の念となって蘇ってくるのです。
若い人達の話していることが分からない。
「何、そのカタカナ語は?」と思っても今更聞けないし、聞いてもほとんど分からないからやり過ごすしかない。だから益々若い人達との距離感が遠くなる。分かっていても、もう私の中ではギブアップ状態なのです。
それは、何を隠そう・・・・IT・コンピュータ関係の話です。
もう30年ほど前になるでしょうか、「パソコン」という言葉を初めて聞いた時、「あぁ、子供のゲーム機ね」と高を括ってしまったのが間違いの始まりでした。
そこで関心を示さなかった私は、猛スピードで進化するコンピュータに置いてきぼりにされ、気がつけばガラパゴス老人と化していたのです。
また携帯電話が登場し、「これは便利だ」と私も使い始めたものの、あくまでも私が「電話」としてしか捉えていなかった間に、若者達は電話以外の使い方を始め、やがて「スマホ」が登場すると「ブログ」だの「ツイッター」だの「フェイスブック」だの、また数々の「アプリ」を使いこなし、また更に更に若者達は遠くへ離れて行ったのです。
(負け犬の遠吠えになりますが「スマホ中毒」にはお気をつけ下さい。スマホに追いかけ回され、日々を費やしてしまうなんて、何かなぁ・・・・)
そして今では2、3歳の幼児が「スマホ」を玩具にする時代。
若者達も、新聞・テレビを持たず、全て「スマホ」で用を足すと言いますから、本当に時代が変わってしまったのですね。
長い人類の歴史上、大きな変化は「火の使用」、「産業革命」、そして「IT革命」だと言われます。
確かにはコンピュータは世界を変えてしまいました。
「ビッグデータ」は世界中に張り巡らされ、日々あらゆる情報を飲み込み続けています。それには「終わり」がありません。
便利といえば便利なのでしょうが、こうした状況の「負」の側面も知っておかなければならないでしょう。
近いところでは、アメリカCIAに所属していたエドワード・スノーデン氏が、命をかけて『国家による監視社会の危険性』を告発して亡命した一件は無視できません。
しかし良きにつけ悪しきにつけ今人類は、コンピュータ抜きではどうにもならない世界を作り続けていて、50年後100年後がどうなっているか分かっている人はいないのではないでしょうか。
そして最近では「AI」人工知能が更に世界を変えてしまうと言われ出しました。
ほとんどの仕事は全てロボットがやってくれる時代が来るのだとか。
「そりゃ楽チンでいいやなぁ」と一瞬思うのですが、さてそれは人間にとって本当に「幸せ」なことなのかどうか。
人間は何のために生まれて来るのか・・・・
また「哲学」が必要とされる時代になるのかもしれません。
そんな時代までガラパゴス老人はいられるわけもありませんが、今、この大きな時代の変わり目に立ち会っていることだけは間違いない事実です。
そんな「今」をどう捉えれば良いのか・・・・・
そこでややPRめきますがそんな話を、当「独立メディア塾・ドキュメンタリー」に、法政大学総長の田中優子氏を迎え、当塾長の君和田正夫氏と私も加わって語り合った「日めくり動画」をupしています。
お時間がありましたらどうぞご覧下さい。
テレビ屋 関口 宏